前回に引き続き、補助金申請について考えてみましょう
前回のブログ[補助金申請を考える]はこちら
https://www.hayashibara-consulting.com/2022/01/04/%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91%E7%94%B3%E8%AB%8B%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B/
では、審査の観点で具体的に考えてみましょう。
事業計画書の部分の審査の観点は、公募要領に書かれているように
①自社の経営状況分析の妥当性
◇自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
◇経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
◇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
ここで、
「経営状況分析」の明確な言葉の定義は不明ですが、ここは定量的な数値分析だけではなく、定性的な点までを含めた分析ができているか、ということと考えるのが妥当と考えます。定性的な点を含めて、結果として売上・利益の増減が発生していることをトータルで分析できているかどうかを評価(審査)されているのだと考えます。
また、
経営方針・目標と今後のプランには、正解はなくても、適切解はあると考えます。
事業計画書と審査の観点から、その根拠は強みと市場となります。
・(補助金を活用して強化した)強み×(補助金を活用して補強・開拓した)市場
・強み×(補助金を活用した新市場・新顧客)
・(補助金を活用した弱みの克服)×市場
などが考えられます。
やはり、方針への根拠が必要となると考えます。
審査の観点のキーワードは市場(商圏)の前にある「対象となる」ではないでしょうか。
例えば、商圏が徒歩圏内の飲食店にもかかわらず、市場の話しを全国レベルでの飲食店の動向を記載しても「対象ではないので」根拠にはならないと思います。
次に事業計画書の様式と審査の観点を見比べてみましょう。
事業計画書の部分は
様式が
1.企業概要
2.顧客ニーズと市場の動向
3.自社や自社の提供する商品やサービスの強み
4.経営方針・目標と今後のプラン
となっているのに対し審査の観点が
①自社の経営状況分析の妥当性
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
となっていることから、
1⇒2+3(企業概要の経緯・経験の結果、強みや顧客の獲得につながっている)
または
2+3⇒1(強みや顧客の獲得または変化の結果、現在に至っている)
となるものと考えます。
このストーリーの妥当性が①の審査の観点であろうと考えます。
この点では、企業概要に経緯・経験がないと、強みを持っている理由、顧客・市場を持っている理由がわからず、ストーリーが成立できないことになりませんか?
4の「企業方針・目標と今後のプラン」が、1+2+3から導かれたものであることを②で審査すると考えるのが、妥当と考えます。
そう考えると、1+2+3⇒4が素直にストーリー展開できるかどうかがポイントとなると思います。1、2、3、4をトータルでみることで、4の適切性がわかり②が審査されることになるはずです。
別の観点でいうと、
1.過去から現在
2.現在の強み
3.現在の市場・顧客
4.将来の方向性
でつながっていることがわかります。
やはり、1~4のストーリーに無理がないことが重要でしょう。
審査資料においても戦略はストーリーです。
補助事業計画の部分はまた次回に。