前回に引き続き、補助金申請を考えてみましょう。
今回は(その3)になります。
補助事業計画の部分になります。
公募要領に示されているとおりで、
項目としては、
・補助事業で行う事業名
・販路開拓等(生産性向上)の取組内容
・業務効率化(生産性向上)の取組内容(任意記入)
・補助事業の効果
事業名はタイトルですね。販路開拓等を一言(といっても30文字以内ですが)で表すと、と言った感じでしょうか。
次の販路開拓等(生産性向上)の取組内容ですから、ここがメインパートでしょう。
審査の視点は次のようになっています。
③補助事業計画の有効性
◇補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
⇒ ここでは、具体的か? 実現可能性が高いか? の2点が審査として見られることになりそうです。
ところで、この2点は並行しているものでしょうか?
そうとは思えません。具体的か?というのは、実現可能性が高いか?の根拠・理由と考る
方が自然と思います。
IT系のプロジェクトで、ベンダーに丸投げしたため、出来上がったものの使い勝手が悪く結局使われなかった、みたいな話を聞いたことはありませんか?
仕様を具体的に提示しないと、仮にできあがっても想像したものと違うために使えないものになってしまいます。
これが、具体的か、実現可能性が高いか、の審査の視点の理由と考えます。すると、出来上がりのイメージを具体的に記載する、ということが補助事業計画の正しい記載の仕方ではないでしょうか。
ただ、勘違いしてはいけないのは、「何を」であって「どうやって」ではない、ということです。ちょっと元エンジニア的にいうと、具体化すべきは仕様であり、設計ではないということでしょう。
◇地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を 達成するために必要かつ有効なものか。
⇒補助事業計画は、先に書いた経営計画の今後の方針・目標と今後のプランと整合していますか? ということだと思います。
「今後の方針・目標と今後のプラン」に記載のないものが突然、補助事業計画に現われると、審査の観点で必要なのか?有効なのか?というという疑念を持たれる可能性がたいのではないでしょうか?
◇補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
⇒どこかの大企業がマスコミに取り上げられた方法を書いているだけなのでは? と思われるのはもったいないです。
単に大企業のスモール版ではなく、たとえば、小回りを効かしたものでないと小規模事業者の創意工夫の特徴は出せないのではないでしょうか。
◇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。
⇒ ITは必須ではないので、ITを活用する場合と思います。
ITを使わない場合は対象外でしょうか。
ITを補助事業計画に取り入れる場合、単に使っています、レベルではなく、有効に活用していますレベルでないと、補助金を有効に使うという観点からみると、どういなのかな、と感じさせてしまうのではないでしょうか。
有効のレベルは様々ですので、どう有効に使っているのかを記載するのがポイントではないでしょうか。
④積算の透明・適切性
◇事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか
⇒ やはりここは、補助金(税金)を使う観点で正確・明確、必要性が求められているのではないでしょうか
例えば、一式100万円です、といっても、なぜ100万円なのですか?100万円必要ですか?という疑念を持たれてしまうと、正確・明確、必要性の点で減点されそうですね。
この部分に限りませんが、書面審査なので、質疑応答はないですよね。つまり記載していること以上のことは審査する側にはわからないので、疑念を生じさせないようは記載するということが大事ですよね。
疑念を払しょくするためには、積算を具体的にするしか、事業計画、補助事業計画を含めて具体的に記載していく方法しかないと思います。
以上が、補助金申請について感じたこと、考えたことです。
今回は小規模事業者持続化補助金(一般型)を例にして書いてみましたが、おそらくポイントはどの補助金であっても大差ないと、思います。
ポイントは、
1)ストーリーのある戦略
2)具体的に記載する
3)記載していないことは伝わらない。
の3点になると思います。
補助金の話は一旦ここで終わろうとおもいます。
お疲れ様でした。