前回は
利益=売上原価+付加価値ー変動費ー固定費
の話をしましたね。
今回は、この式の主に前半部分、つまり売上について話していきます。
この式に変形する前の式を思い出してください。
そう、
利益=単位当たりの売上原価×売上数量+単位当たりの付加価値×売上数量
ー変動費ー固定費
の式です。
売上を増やす方法として、簡単に思いつくのは、値引きです。
値引いて単価を下げて、数量を増やすと売上が増えるという発想です。
でも本当に値引きをすると、売上、そして利益は増えるのでしょうか?
先ほどの式をまた、少し変形してみましょう。
利益=(単位当たりの売上原価+単位当たりの付加価値)×売上数量
ー変動費ー固定費
となりますね。
さらに( )の中を見ていきましょう。
ここは、単位当たりの売価になるのは、よろしいでしょうか。
売価を下げても売上原価は変わらないとすると、
売価を下げるということは、付加価値を減らしていることになります。
では、売価を1割下げると売上数量はどの程度増やす必要があるのでしょうか?
1割の増加でしょうか?
売上だけを考えると、
元々の売価×元々の数量=(0.9×元々の売価)×(数量の増加率)×(元々の数量)
ですから、
数量の増加率=1/0.9
=1.11111
となりますので、必要な売上数量の増加は1割よりも少し多くなります。
ということは、売上を増やすために値下げをしたら、値下げ率以上に
売上数慮を増やさないと、売上高は増加にならないことになります。
では、その他の要素、変動費、固定費ではどうでしょうか?
販売数量を増やすのですから、変動費は増加します。
また、固定費はかわりません。
ということは、売価を下げて売上数量を増やして売上高を増やしても
変動費も増えるので、利益を出すのは容易でないことは、わかるでしょう。
次回は費用について述べていきたいと思います。
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