前回までは付加価値についてお話してきました。
今回からは費用の低下、費用の削減方法についてお話していきます。
費用についてもいろいろありますが、外部要因の影響がすくなく、自社の努力で削減できるものについて、そして効果が大きいものについて、まずお話していきます。
自社の努力で削減でき、効果の大きいもの、それは時間です。
時間の削減方法・手法で基本は5Sです。手法・考え方としてさまざまな分類がありますが、その中でも一番の基本となるのが5Sですので、5Sから入っていきましょう。
5Sという言葉は、製造業などでは既に有名ですが、ご存知でない方も多いと思いますので改めて説明します。5Sは整理・整頓・清掃・清潔・躾の意味で、頭文字Sがあることから、まとめて5Sと言います。ちなみに、5SはJIS8141-5603でしっかりと定義されています。各言葉は特難しくないのですが、意味をしっかりと把握されていない人も多いので、説明しておきます。
5Sの最初の二つ、整理・整頓は、日常でも使われる言葉ですが、これは整理と整頓を合わせたことばです。整理と整頓は違う意味を持っています。
整理から順番にひとつづつ説明していきましょう。
まず、整理とは、必要なものと不必要なものを区分し、不必要なものを捨てることです。
単純にものを減らし管理の対象が減ることで、探す手間を減らすことができます。
でも、
5Sが苦手な人は、この整理が苦手です。特に不要なものを捨てるということが苦手です。
あなたの周りにも捨てられない人はいませんか?
時々TVでゴミ屋敷みたいや部屋を掃除する番組をやっていますよね。見たことがある人も多いと思います。
その番組では何をやっているか、というと要らないものを捨てているだけです。
要らないものをなぜ捨てられないか?
まず、必要/不必要の区別が苦手です。そして不必要なものを捨てる手間を嫌がります
買い物時の紙袋や段ボール箱を捨てられない人がいると思います。いつか使うから不要なものではないと判断してしまいます。そして、溜まってくると最終的にはなにがあるのかさえ、わからなくなってしまいます。
コンサルタントとして現場に入った時に、埃にまみれた段ボール箱が置いてあったことがありました。「これ、使いませんよね。」と聞くと、「いや、使います。段ボールに入ってたものを捨てる時に使います。」と当然のように答えます。「えっ?」と驚き。「この誇りまみれの段ボールを使うんですか?あなたも埃まみれになりますけど、本当に使いますか?」と言うと、「やっぱり使いません。捨てます」となりました。
いつ、使うのか?使う時までどのように保管しておくのか、を考えるのが苦手な人は確実にいます。そういう人に向かって、「そのくらい自分で判断できないの?」と言って責めても意味はありません。できるのであれば既にやっています。判断基準がわからないのです。そういう人に対しては、判断基準を教えてあげましょう。そして、捨てることを習慣づけてあげましょう。
実は、私もこの判断が苦手でした。また使うかもしれない、と思うと捨てる勇気がでません。そして捨てることが習慣化できませんでした。
一度捨てると判断しても、捨てるのが億劫、いつか使うかもしれないと判断の戻り、捨てずにおいておく、の無限ループに陥ってしまうのです。
私がとった方法は「保管するものは期限を明確にする」ことでした。そして明確に期限が設定できないものについては、なんとなくですが、保管期限を設定しておきます。1週間、1ヵ月、1年、などを設定し明記することで、例えば「1週間たったら、破棄する」わけです。そして勇気をもって捨てる。もし、その後使うことがあれば再度入手する。
この方法を採用することで、まだまだ整理は苦手ですが、より以前よりは整理ができるようになりました。
整理整頓が苦手な人、手始めに、ものを減らすことから始めていきましょう。
次回は整頓についてです。