費用の削減方法として、5Sの整理・整頓について、お話ししてきました。
間が空いてしまいましたが、覚えてますでしょうか?
整理は必要なものと不必要なものを区分し、不必要なものを捨てること。
整頓は、必要なものをすぐに使えるように準備しておくこと。
でしたね。
今回は、5Sの3番目、清掃です。
意味は必要なものについた異物を取り除くことです。
これも正しく理解されていない人が多い項目です。
「見た目をきれいにするために掃除をする」と理解してはいませんか?
誤って理解されている理由は、目的と手段をきちんと区別できていないからだと、私は感じています。
・汚さない
・こぼさない
・散らかさない
・汚したらすぐ拭く
などは、清掃の手段です。目的ではありません。
では清掃の目的はなんでしょうか?
きれいだと気持ちがいい。
精神力が上がる。
これら、精神的なものは効果であって、目的ではありません。
では、目的とは何でしょう?
・機械を安全に正確に作動させることで生産性を向上させる
一言でいうと、これに尽きると考えます。
機械・特に回転系の部品がある機械はスムーズに動くようにするため
潤滑材、わかりやすい例では潤滑油があります。
機械にネジのゆるみや破損があるとオイル漏れを起こして故障の
原因となります。もし、機械にオイル汚れが付着していたら
オイル漏れが発生している可能性が高いです。
オイル漏れを起こしていると、潤滑油がなくなっている可能性があり
故障を起こすことが想定できます。
もちろんオイル漏れが床についtいると滑りやすくなり、怪我の発生要因ともなります。機械だけではなく、人間の安全性の低下を防止します。
もし、機械にオイル汚れがついていたら、なぜオイル汚れがついているのか原因を調べて対策をとるところまでが清掃です。オイル汚れを拭いてきれいにするだけでは、清掃の目的を無視した形だけの行為になります。
また、随分昔の話ですが、私の経験を一つ。
当時、デスクトップ型のPCが職場の共有PCとして使われていました。
ある日のこと、操作していると、このデスクトップ型PCの電源が急にOFFになりました。自動的にシャットダウンしたのです。そのPCの裏側を見ると埃だらけ、排気口が埃で目詰まりを起こしており、熱でPCのシャットダウンが始まったのでした。
掃除機で背面の排気口周辺の埃を吸い取り、周囲もきれいにしました。しばらくして電源を投入するとPCは正常に復活しました。
これのことからも清掃は、美化活動としてではなく、安全に機械を作動させることを目的にしていることがわかるでしょう。
皆さんの職場で5S活動を行っている場合、5S 活動ではなくても清掃活動を行っている場合、その清掃の目的、意味を振り返ってみてください。