先日、経営者の方とお話しているときのことです。
デフレの影響が残っている中、原材料や人件費が上昇している現在は、企業としては売価を上げ利益を確保したいところですが、当然ながら売価をあげるのは容易でないとお困りの様子でした。
現実的には原価や人件費の上昇分を売価に反映するだけでも難しく、原価や人件費の上昇分以上の売価上昇は不可能に近い状況でしょう。
なぜ不可能に近い状況になるのでしょうか? それは顧客にとって売価の上昇がその製品・商品の価値(付加価値)の上昇に繋がらないからです。顧客にとって価値(付加価値)が変わらないのでは、原材料費や人件費の上昇分も売価上昇は受け入れがたいというのが現実でしょう。
ではどうするか、それは顧客にとっての価値(付加価値)を変えることです。解りやすいのは、QCDのQDを高めることです。つまり、Q:品質を高める、D:納期を短くする、があります。しかし、品質を高める、納期を短くする、ということも限界があります。
それでは、視点を変えて、誰に、何を、どのように、を変えるのはどうでしょうか?事業ドメインを変えるのです。
言い方を変えると「土俵を変える」という方法です。例えば、顧客を変えると、商品、使い方のノウハウが新しい顧客に対しての価値(付加価値)となります。土俵を変えることで、顧客が期待する価値(付加価値)を増すことができますので、売価の上昇に繋げることができます。